紅茶検定受験レポート
2017年3月20日、第1回紅茶検定を受験してきました。
今回が第1回ということで、まだまだ情報の少ない紅茶検定。少しでも次回受験を考えている方のお役に立てれば。と思い、レポートします。
紅茶検定とは?
紅茶が日本にもたらされてから、100年以上になります。
紅茶は、その豊かな香りとフレーバーで多くの人を楽しませるだけでなく、リラックス効果のあるテアニンや抗酸化作用のあるタンニンなど健康に良い成分も多く含んでいます。
一杯の紅茶がもたらす優雅な時間と健康効果は、今や暮らしの必需品となっています。
紅茶検定では、紅茶の歴史や文化、産地ごとの特徴、ブランド、器具、美味しい入れ方、保存方法など、紅茶の楽しみ方を広げる知識を問います。
紅茶検定を通し、紅茶について知識を深めることで、ティータイムがより味わい深く楽しい時間となることを願っております。
今まで、なかなかこれだ!っていう紅茶の資格に出会えなくって(金額の高いものが多いんですよね…)紅茶好きとしては本当は日本紅茶協会さんのティーインストラクターやティーアドバイザーの資格を取りたいんですが、なんせ費用と時間がかかるもので…(ティーインストラクター養成研修受講料:¥291,600、ティーアドバイザー養成研修受講料:¥86,000)もっと安価で、趣味としてとれるような紅茶の資格があったらいいなあとずっと思っていました。
今回受験した紅茶検定はそんな条件にぴったりで、かつ、日本紅茶協会が特別協力(主催は紅茶検定実行委員会)とあったので、紅茶の資格としてはきちんとしているのかなあと思い受験しました。
受験料など
今のところ、受験級は初級(ベーシック)と中上級(アドバンス)の2級あります。
受験料は、
初級(ベーシック):¥4,800
中上級(アドバンス):¥5,800
となっています。
ちなみに併願することもできて、その場合の受験料は
併願:¥9,000
とのこと。
2回に分けて受験すると¥10,600かかる計算になるので、どうせどちらも取るつもりなら、併願した方が¥1,600もお得になります。
わたしはどうせなら中上級まで欲しいなあと思っていたことと、¥1,600って大きいよねえと思ったので思い切って併願しました。
教材
教材は、日本紅茶協会監修の「紅茶の大辞典」が公式テキストとされています。
初級(ベーシック)の受験のみならこちらの1冊を網羅すればOKとのこと。
中上級(アドバンス)を受験する場合は、合わせて参考書籍として稲田信一著の「〈改訂版〉紅茶入門」が指定されています。
ちなみにこちらの書籍、わたしの探し方が悪かったのかもしれませんが、行動圏の本屋では全く見つけられず、入手に苦労しました…
というか、この2冊を探していて思ったのですが、紅茶の本の取り扱いの少ない本屋って意外と多いんですね。コーヒーの本やお酒の本と比較して、紅茶の本って人気ないのかな?そんなことはないと思うけれど、公式テキストですら入手するのに数件回りました。
勉強してみた
- 公式テキストの場合
公式テキストには、紅茶をいれるのに必要な道具、おいしい紅茶のいれ方、紅茶の生産について、紅茶の栄養について、主な産地とその歴史や特徴、各国の紅茶文化、フレーバードティーについて、ハーブティーについて、紅茶メーカー一覧、紅茶年表、用語集などなどが載っています。
これを網羅すればOKと言われても、完璧に覚えようと思ったらなかなかの内容量です。
途中までノートにまとめたりしながら勉強していたのですが、時間が足りなくなりそうだったので途中から蛍光ペンで印をつけながら読み進めていく方法に変えました。
- 参考書籍の場合
こちらは教科書というよりは普通の読み物という感じ。縦書き二段です。
内容は、紅茶にまつわる歴史、生産事情、消費事情、主な産地について、などなど。公式テキストよりやや掘り下げた内容も多かったです。
もはやノートまとめなんて気力はなく、一応蛍光ペンを片手に読書感覚で読みきりました。
受験してみた
- 会場
会場は東京、名古屋、大阪の3ヶ所で、今回わたしが受験したのは東京会場。指定場所は大正大学でした。
〒170-8470
東京都豊島区西巣鴨3-20-1
TEL 03-3918-7311(代)FAX 03-5394-3037
最寄駅
都営地下鉄三田線「西巣鴨駅」下車 徒歩2分
JR埼京線「板橋駅」東口下車 徒歩10分
都電荒川線「庚申塚駅」又は「新庚申塚駅」下車 徒歩7分
- 受験時間
初級(ベーシック):13:00〜14:00
中上級(アドバンス):15:00〜16:00
共に60分間でした。
どちらも開始の10分前から試験についての説明が行われます。
ちなみに開始時刻に10分遅れると、受験資格が無くなるそうです。
- 問題数・形式
初級(ベーシック)、中上級(アドバンス)共に80問で、全て4択のマークシート形式でした。
基本は文章出題で、数問だけ図や写真を見て答えさせる問題がありました。
- 合格基準
概ね7割以上の正答率で合格とのこと。全80問なので、60点程度正解すれば合格するのではないでしょうか。
- 難易度
初級(ベーシック):
簡単です。紅茶が好きでそれなりに知識があれば、わざわざ勉強しなくても合格できるんじゃないかな?というくらい。用語集からの出題が多かったので、今まで紅茶の知識なんてまったく無かったよ〜って人も、公式テキストの用語集をしっかり勉強していれば合格したんじゃないかな?選択肢も絞りやすいようになのか明らかに違うのが混ざっていました。公式の練習問題からもそのまま出題されていたので、気になる方は公式の練習問題がホームページに載っているので見てみてください。
練習問題 - 日販の検定ポータル [ 検定、受け付けてます ]
中上級(アドバンス):
初級を受けた感じから、まあ中上級もいけるでしょ、なんて思っちゃったのが大間違い。難しかったです、中上級。
こちらも一応練習問題が載っていたのですが、練習問題と実際の出題が違ってびっくり。こちらも練習問題貼っておきますね。
練習問題 - 日販の検定ポータル [ 検定、受け付けてます ]
例えば1問目、練習問題では
Q.1935年に出版された紅茶のバイブルともいわれる本は次のうちどれか。
A.オールアバウトティー
だったのが、本番の問題では
Q.W.Hユカーズ著「All About Tea」はいつ出版されたものか。
A.1935年
となったわけで、ここだけ見てもおわかりいただけると思うのですが、練習問題よりも本番の方が難易度が上がっていました。練習問題は悩むことなく満点が取れていたので油断しました。やられた……
感想
冒頭にも書いた通り、わたしはこの検定を見つけたときは本当に嬉しかったですし、検定合格に向けて勉強したことで紅茶の知識も深まり、また紅茶愛も深まったと思うので、受けてよかったなあと思っています。
たとえば、わたしはずっとダージリンが大好きで、他の産地の紅茶やフレーバードティーはほとんど飲まずとにかくダージリンばかり飲んでいたのですが、今回産地の勉強をしたのをきっかけに他の産地の紅茶に興味を持ちました。いくら、バラ香だとかメチルサルチル系の香りだとか鋭い渋みだとか知識を詰め込んでも、飲んでみないことには知識と実物が結びつかないので。
結果お気に入りの紅茶が増えたら、それはわたしの人生が少し豊かになったということだと思います。
好きなことでもテキスト1冊丸々隅から隅まで目を通して覚えたりとかはなかなかできないタイプで(社会人になって尚更)、結局好きなページを熱心に読み込んで終わってしまうことが多いため、試験合格という明確な目標を立てて、紅茶の知識を深められたらいいなというのがわたしの今回の目的でした。なので覚えきれなかった歴史とかも含めて、今まで知らなかったことを知るきっかけをもらえてとてもよかったです。
ただ試験としては、意図の読みづらい問題があったり、答えが2つあるのでは?というものがあったり、自己採点でテキストを見ながらでも答えが出ないものがあったり…問題の難しさのほかに、問題文がわかりづらいなあと感じる部分も多かったです。
そして公式テキスト。読み物としてはいろいろ載っていて面白いんですけど、試験の教材としては見づらいです。ハーブティーやフレーバードティーなどについても結構書かれていたのですが試験にはまったくと言ってよいほど出てきていないので、余計な情報を削除して、まとめ方ももっとすっきりさせて、練習問題とかついているとありがたいですよね。あとは公式テキストと参考書籍とで若干情報が違ったりして、これは結構困りました。生産量や輸入量などは年々変化があるのでしょうが、テキストと参考書として受験者に勧めている以上、内容はそろえて、受験者を惑わせるようなことはなるべくしないでほしいです。
けれど、第1回ですもんねえ。これからどんどん良くなっていくんでしょうね。今後に期待です。
今後に期待といえば、中上級って響き、意味深ですよね!今後上級ができたりするのかな〜そうだといいな〜って思ってます。もし上級ができたらまた受験したいです。難しいとは思うけれど、実技とかもあったらいいのになあ、なんて。
最後に
合格発表は、5月の上旬だそうです。合否の通知と、合格者には合格証が届けられるとのこと。合格証はカレルチャペック紅茶店特製の検定限定イラスト入りらしいです。カレルチャペックのイラスト、かわいいんですよね~。楽しみ!
梢